目次
春咲きエビネ
エビネは日本原産の代表的な常緑の野性ランです。
全国各地の山林に自生しています。
春になると、新葉の中心から30センチから40センチの茎を1本伸ばします。
そして花径2、3センチの可憐な花を沢山咲かせます。
エビネには山野草としての親しみやすい素朴さのイメージがありますが、近年華やかな花色の豊富さで人気があります。
品種改良が進み、可愛らしいパステルカラーも続々と登場していますよ!
春の開花期を迎えて、植物園、ホームセンターなど各地で展示会や即売会がありますので、実際の花色を確認して購入できる時期でもあります。
好みの花を見つける最適な時期ですね!
|
エビネの育て方
エビネの学名は「カランセ」と言います。
ギリシャ語で「美しい花」という意味で、その名のイメージ通りとても華やかな姿を楽しむことができます。
4月から5月の開花期には、庭が一気に明るくなります。
近年の人工交配によってより魅力的なエビネが見られるようになり、沢山出回る様になりました。
|
エビネの置き場所
エビネは明るい間接光を好みます。
直射日光が当たらず、明るい間接光の得られる場所を選びましょう。
家の明るい北側、南側の塀の内側、軒下などが最適ですね。
夏の日中は葉の温度が上がってしまいますが、一日中高温が続くと体力を消耗し弱ってしまいます。
西日の当たる場所は避け、夕方から夜間は涼しくなる場所に置きましょう。
ベランダ等の照り返しが強い場所では、夏の西日を避けるためよしずなどを利用しましょう。
又乾燥と強い風が苦手です。
強い風と寒風は、葉を痛めてしまいます。
傷めるとその年はもう代わりの葉は出てこないので、注意して下さいね。
エビネの土
エビネの培養土は、ヤシ殻チップ、硬質赤玉土、硬質鹿沼土、針葉樹皮加工培養土などの単用でも、複数を混ぜ込んでも良く育ちます。
植木鉢に植えこむときには、根株を崩さずに植え付けるよう気をつけましょう。
|
エビネの水やりのポイント
鉢土の表面が少し乾いたら、鉢底から流れ出る程たっぷり水やりして下さい。
新芽が成長する4月から6月は少し多めの水やりをしましょう。
暑い夏は、夕方から夜に株の頭からたっぷりと水やりをします。
葉への水やりで温度を下げ、体力の消耗が抑えられて、花芽や根の成長が促進されます。
|
肥料
花が終わって梅雨明けごろまでと、9月から10月までの間は、液体肥料を月に2、3回施します。
花が終わってからの肥料は花付きを良くし、秋口の肥料は株を充実させます。
|
エビネの年間の管理
①春先
置き場所
花が咲くまでは場所を移動させない様に注意しましょう。
エビネにとって春先が一番デリケートな季節になります。
花が2、3個以上咲いてから好きな場所に移して楽しんで下さいね。
水やり
乾き具合に注意して、与え過ぎず、少なすぎず気をつけましょう。
花茎が出てきたら、頭から水やりするのはやめて下さい。
鉢土に直接やりましょう。
この時期に乾かしてしまうと、花茎の伸びに影響を与えるようです。
肥料
やりません
②花後から初夏まで
置き場所
通常の置き場所に戻します。
水やり
充分にやります。
肥料
肥料をやりましょう。
翌年の花付きが良くなります。
③盛夏
置き場所
木陰の様な環境が好ましいです。
エビネは酷暑が苦手ですので、直射日光が当たらない様に工夫しましょう。
水やり
通常の水やりにプラスして、朝夕葉にも水やりをして、温度を下げてやりましょう。
肥料
控えめにやります。
④秋口
置き場所
通常の置き場所に置きます。」
水やり
秋は意外と乾燥するので、乾かし過ぎない様に氣をつけましょう。
肥料
花後の時より多めに施しましょう。
⑤冬
置き場所
休眠期に入りほとんど活動しません。
もともと日本に自生している植物な為、特別な防寒葉必要まりません。」
水やり
土がわずかに湿っている程度が良いです。
エビネの葉が茶色くなった時は?
冬になってエビネの葉っぱを切らない様にしましょう。
葉の緑は光合成に必要ですから切らない様に注意したくださいね。
茶色く傷んだ部分のみ切り取っても大丈夫です。
冬だけに限らず、緑の部分を多く残すと立派な株に生育します。
ただし、蕾が見える少し前の2月から3月には、枯れたり傷んで茶色くなった部分は必ず切り取ってください!
傷んだ部分についたカビが原因で、蕾や新芽が傷む場合があるようです。
ウイルス感染防止に、ハサミを火であぶってから、茶色くなった部分のみを切り取りましょう。
|
エビネの基本種
日本に自生するエビネは、約20種類ほどあります。
エビネ(地エビネ)
北海道から沖縄まで日本各地に広く分布し、淡い茶色の花色が一般的です。
|
キエビネ
紀伊半島から山口県、四国、九州の山に自生しています。
鮮やかな黄色の大きめの花が咲きます。
|
キリシマエビネ
紀伊半島、四国、九州、伊豆半島の限られた島に自生します。
花は白地にピンクか紫をのせた花色で、開き切らず少しうつむき加減に咲く花は、控えめな印象です。
ニオイエビネ
伊豆七島の限られた島に自生します。
花色は、薄紫や薄ピンクなどです。
ニオイエビネの名の通り良い香りがします。
|
サルメンエビネ
北海道から九州にかけて、やや高い山に自生しています。
形がちょうど猿の顔に似ていることから、「サルメン」と名前が付きました。
夏の暑さを嫌う為、高温多湿の平地では栽培が難しいようです。
|
エビネの交配種
ニオイエビネの交配種
花が密に付くものが多く、とても良い香りで人気が高いです。
葉は固く、光沢があり立つ物が多いのが特徴です。
寒さに弱く最低気温0度以上が必要と言われています。
|
サルメンエビネの交配種
花数が少なく、まばらに咲く傾向があります。
葉は、幅広で柔らかく、冬には葉が地面にひれ伏すようになり冬越しします。
寒さに強いので寒い地方でも育てやすいです。
まとめ
昔は地味な印象のエビネでしたが、本当に可愛らしい花色ができており洋風のお庭にもよく合います。
是非チャレンジしてみて下さいね!
最後までお読みいただきありがとうございました。